農学を長く学んでいるうちに、研究成果が農業の生産現場で活かされていないことに歯がゆさを感じていました。どうすれば学問と現場がリンクするのか。疑問を解決するには、自分で試すしかない。学校を飛び出し、生産現場に立ち、その中でひとつの経営構想にたどり着きました。「農業法人においては、最先端の研究成果を活かせる組織を創ることができるのではないか」。これが私の出発点となりました。
今、日本農業は大きな変革の時期にあります。 農業の進むべき未来と社会への貢献のため、花の海は2つの事業に取り組んでいます。
近年の気候変動の影響もあり、野菜・花生産者にとって、育苗は手間がかかる難しい工程となっています。加えて生産者は規模拡大や働き方改革が進む中、育苗を分業化し生産に専念する傾向にあります。そして、苗半作といわれるように、育苗は生産者にとって生命線ともいえるほど大切なことです。だからこそ、「注文をいただいた苗を間違いなくお届けし、社会やお客様の期待に応えたい」と考えています。揺るがぬ信頼と高い精度を実現するために我々は日々、邁進してまいります。
農業者としての心を基に、医療・福祉・教育法人、行政機関とも連携して、様々な角度から農業に触れる機会を提供することで、より多くの方に、季節折々の農業生産の場を体験していただき、「農業の持つ豊かさを皆様と分かち合いたい」と考えています。この活動が農業への理解を深め、日本農業の発展に繋がるものだと確信しているからです。
2つの想いを具現化するために、生産性の高い、創造性あふれる組織農業に取り組んでまいります。
株式会社花の海
代表 前島 昭博
現在の花の海がある場所は、約55ヘクタールの干拓地でした。 農地として開発されたものの、塩害や潮風の影響で作物や苗の管理が難しく、長期にわたり放棄地となっていたこの土地をどう活かすか。 やがて、大型ハウスを建築し、これまで培ってきた管理農法を活かした大規模システム農場をつくるという結論に至りました。
2001年03月 | 尊農塾(塾長 坂本多旦)の経営構想発表の場で大規模システム生産農場構想を発表(前島昭博) |
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2003年04月 | 「花の海構想」発起人会開催 船方農場グループと有限会社 木之内農園との法人間連携。 それぞれの会社から人材、技術、経営のノウハウを持ち寄り、新しい会社を立ち上げました。 |
2003年06月 | 創立総会・会社設立 初代社長 坂本多旦 |
2004年02月 | 認定農業者に認定 |
2005年03月 | 野菜苗温室2棟・用土ハウス竣工 |
2005年04月 | 花苗、野菜苗受注生産開始 |
2005年05月 | 野菜苗温室4棟・イチゴ温室2棟竣工 |
2005年12月 | イチゴ狩り営業開始 |
2006年01月 | 野菜苗温室1棟、交流施設、管理施設、集出荷施設竣工 |
2006年02月 | 接木野菜苗受注生産開始 |
2006年02月 | ブルーベリー施設竣工 |
2006年09月 | イチゴ温室1棟竣工 |
2007年01月 | ミニバラ温室竣工 |
2007年02月 | ローズフォーエバー社 ポットローズ増殖生産開始 |
2009年08月 | 「花の海開発事業」完了報告会開催 |
2011年12月 | 「花の海いたりあん食堂」が山口食彩店に認定 |
2012年01月 | 冬瓜台木スイカ受注生産開始 |
2013年10月 | 初代会長就任 坂本多旦、社長就任 前島昭博 |
2013年11月 | 苗生産管理システム稼働開始 受注→生産工程管理→出荷→伝票発行(請求)に至るまで、各プロセスをシステム管理により一元化。 施設の利用状況及び作業労務を瞬時に把握することにより、労働力・施設・設備を最大限に活用できるようになりました。 |
2015年02月 | 地元の集落営農法人からの要望により、水稲稚苗の生産を開始。 「苗づくり」を通して地域との結びつきを深めています。 |
2017年02月 | 船方農場グループ内組織改編により船方園芸事業部開設。 冷涼な気候を生かして受注苗のリレー栽培を本格化させています。 |
2017年02月 | 直売所にパン工房オープン 船方農場の牛乳をふんだんに煉り込んだミルク食パンや、新鮮な野菜・果物を使った季節のパンなど、花の海ならではの自家製パンを丁寧に焼き上げています。 |
「これからの農業経営者は、起業の精神、経営手腕を持つ者、地域のことを考える者、そして、農業への熱い思いを持った者、高い理想と経営センスが必要だ」――山口県農業法人協会と山口県農業会議は農業経営者を養成するために「尊農塾」を開いた。 その名前の由来は明治維新のリーダーとして活躍した数多くの人材を輩出した吉田松蔭の「松下村塾」にちなみ、“尊農の志士”として人材を創(つく)ることを目的としている。